home > 鉄道風景写真講座 > 撮り鉄、今日もどこかで運行中 第4回
撮り鉄、今日もどこかで運行中

写真好きならば、一度は鉄道を撮りたいと想ったことがあるはず。
そんな人たちを、尽きせぬ愉しみへと導く、新たな写真講座です。

第4回 光を使いこなせれば「鉄道風景写真」に「ドラマ」が加わる

「晩秋の米沢盆地」

「晩秋の米沢盆地」
朝靄に包まれた米沢盆地を、朝の光が浮かび上がらせた。山形新幹線の車両は影になったが、印象的な背後の風景に露出を合わせた。奥羽本線赤湯駅から中川駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF24-105mmF4L IS USM


作例B

ライブビュー機能 ライブビュー機能を使用、拡大してピントを合わせる。モニターの映像は撮像素子を通して送られたもので、ファインダーで合わせるよりも正確なピント合わせができる。


作例C

遮光フード付きルーペ デジタルカメラのモニター確認に便利な用品。遮光になっているのでモニターの確認がより明確にできる。フードがラバーになっているタイプは液晶に傷をつける心配がない。

 一般的な風景写真と鉄道風景写真の大きな違いは、列車という動きのある被写体が風景のなかを走っていることです。特殊なケースを除き、走っている列車の姿を、速いシャッタースピードで止めて撮る必要があります。
 風景写真なら、まずは絞り値を第一に考えるでしょうが、鉄道風景写真の場合はシャッター速度の選択が最優先になります。速度の遅い列車の場合でも250分の1秒以上、それ以外は500分の1秒以上の高速シャッターで撮影することが必要です。


撮影モードはマニュアルで

 ですから撮影モードは必然的に「シャッター速度優先」もしくは「マニュアル」の設定となります。しかし、シャッター速度優先などのAEでの撮影は、ちょっとフレーミングを変えるだけで露出が変化してしまうなど、不安定です。また、露出補正も一様ではなく、かえって煩雑に感じることも多いものです。ですので、当講座では撮影モードを「マニュアル」に設定することをお勧めします。
 露出はカメラ本体のTTL露出計で測光して決定します。ポジフィルム使用の場合には入射光式露出計も併用、さらに自分の経験も加味しながら厳密に露出をとっていました。
 ところがデジタルカメラの場合は、本番の列車が通過する前に一枚シャッターを切り、モニターでチェックできるのです。モニターの画像を見ながら露出補正しましょう。その際、モニター画面が正確に確認できるように、遮光フード付きの液晶用ルーペなどがあれば、外光の影響を受けません。1メートル四方程の黒布一枚でも代用できます。「液晶の明るさ」設定を「手動」にしておくこともお忘れなく。これらの用品はライブビューで厳密なピントを求めるときとても便利ですので、試してみてください。
 さて、実際にTTLの指示通り一枚撮影してみます。作例AはTTL露出計の示したままにマニュアルで撮影。背景の松林の影響で完全に露出オーバーです。カメラ機種や測光モードによって違いますが、このようなケースの場合、キャノンEOS-5D Mark IIの評価測光では、おおむね1絞りから1と1/3絞り程度絞り込むのが適正な仕上がりとなるようです。作例BはAから1絞りと1/3絞って撮影。雪を抱いた浅間山の表情もより明確に表れてきました。
 画面のなかで列車が占める面積が大きい場合には、列車の色にも注意が必要です。白系の車両には1/3程度絞りを加え、蒸気機関車など黒い場合には1/3から2/3絞り程度開けて撮影するのが良いでしょう。

作例A
作例B

作例A 写真上は列車が通過する前に、カメラ内蔵TTL露出計(評価測光)の指示通り1/500秒 f3.5 ISO100で撮影。背後の松林など暗部の影響で露出オーバーだった。写真下は、上の値より1と1/3絞って撮影。車体の白トビもなく、背景の浅間山もクッキリと撮影できた。小海線岩村田駅〜北中込駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mmF2.8L IS USM




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