写真好きならば、一度は鉄道を撮りたいと想ったことがあるはず。
そんな人たちを、尽きせぬ愉しみへと導く、新たな写真講座です。
第5回 「鉄道冬景色」をチェックする
作例A 雪景色の最上川を眺めて走る。雪の風景写真は雪面が白飛びせず、かつ露出アンダーにならないように注意が必要。陸羽西線古口駅から高屋駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF24-105mmF4L IS USM
作例B アンダーな露出ではトンネル上部の木々が重くなると判断。白飛びを気にせず、露出を若干ハイキーにセットして撮影した。陸羽西線津谷駅から羽前前波駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF24-105mmF4L IS USM
作例C 猛吹雪に見舞われ、背後の家並みが見えなくなった。露出をアンダー目にセットし、ローキーにより厳しさを強調した。飯山線信濃平駅から戸狩野沢温泉駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF24-105mmF4L IS USM
作例D 雪原の背後に見える家並みに生活の営みを感じた。この冬一番の荒天になった日、空模様はめまぐるしく変化。撮影後は吹雪となった。飯山線信濃平駅から戸狩野沢温泉間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF24-105mmF4L IS USM
作例E 雪晴れは冬の厳しい撮影のご褒美。白く輝く雨飾山を背景に、大糸線の列車を撮影。ヒストグラムも活用し、雪面の白飛びを事前にチェックしよう。大糸線頚城大野駅から姫川駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mmF2.8L IS USM
地域によってはもうすっかり春という地域もありますが、暦とは裏腹にまだまだ寒い地域が多いはず。山もまだまだ残雪がのこっています。そこで今回はおさらいと来年の冬のための撮影のための注意点も兼ねて、「冬の鉄道風景写真」を解説したいと思います。
冬と聞いて、まず一番に思い浮かぶのは「雪景色」でしょう。雪景色の鉄道風景は情緒があると同時に、雪を蹴って走る列車の姿は迫力があります。
特に豪雪となるのが、日本海側や山間部。作例Aは、最上川を眺めて走る陸羽西線。雪景色の場合は、雪面が白飛びせず、かつ露出アンダーにならないよう注意が必要です。
ただし例外もあります。作例Bのロケーションでは、白飛びを抑えた露出では全体が重たいイメージに仕上がると想定。通常より一段程度ハイキーな露出で撮影しました。「どのような雰囲気の写真にしたいか」を常に考えながら、列車の通過前に試し撮りをし、モニターで画像を確認して調節しましょう。
作例Cは新潟から長野にかけて県境の豪雪地帯を走る飯山線の列車です。広々とした雪原を走る列車を撮影しようと待ち構えたところ、突然吹雪に見舞われました。そこで露出を一段ほどアンダーに設定、吹雪の厳しさを強調しました。作例Dは同じ場所で撮影した写真ですが、撮影時の条件や露出のとり方で、違った印象となりました。
吹雪が一段落し「雪晴れ」の条件に巡り会えれば、鉄道風景写真撮影の冥利に尽きます。作例Eのように、雪で輝く山を望む場所ならば、列車の背景にしてみましょう。望遠レンズを使用して背景の山をグイと引き寄せれば、より迫力のある作品となります。このような場合でも、山々が白く飛ばないようにヒストグラムで確認をしながら露出を決めましょう。
「黄昏の小駅」
日没後の青い光に包まれた雪国の小駅。列車を待つホームに明かりが灯った。ホワイトバランスは「オート」ではなく「太陽光」にセットすれば、夕暮れ独特の「青」が表現できる。大糸線頚城大野駅にて。
キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mmF2.8L IS USM
「一番列車」
雪景色は反射率が高いので日の出前や日没後の撮影が楽しめる。高感度を選択できるデジタルならでは。夜明け前、一番列車をISO1600に上げて撮影。ヘッドライトに雪の粒が浮かび上がった。飯山線替佐駅から蓮間駅間で。
キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mmF2.8L IS USM
©Koji Yoneya
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