写真好きならば、一度は鉄道を撮りたいと想ったことがあるはず。
そんな人たちを、尽きせぬ愉しみへと導く、新たな写真講座です。
作例K 列車の旅を楽しみながらも冬の鉄道風景写真は撮影可能。本州北辺の日本海岸を走る五能線は、荒波が窓辺に押し寄せるような風景に出会えることも。五能線車内で。 キヤノンEOS-1v、EF17-35mmF2.8L USM、 PROVIA 100Fプロ
防寒は足下から 雪の撮影には「長靴」が一般的だが、登山靴に登山用品の「スパッツ」を併用すれば、都市部からそのままの格好で雪国に入ることができる。雪深い雪原を歩くときは「かんじき」や「スノーシュー」の併用が効果的。
「伝統のスタイル」
特急「はくたか」が、雪山を背景に姫川を渡ってゆく。旧国鉄時代から伝統のスタイル「ボンネット車両」が最後の力走をみせる。北陸本線糸魚川駅から青海駅間で。
キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mmF2.8L IS USM
冬場は列車のダイヤ乱れもしばしばで、これを怠れば、列車が来るまで待ちきれなくなったり、集中力が切れて思わぬミスの原因となったりします。
まず足下から暖かくすることが重要です。足下の防寒としては「長靴」が最もポピュラーですね。内張が暖かく、雪の進入をシッカリと防ぐ「雪国仕様」のものを選べば快適です。
しかし、クルマ移動の場合には問題ないのですが、都市部から鉄道を利用する場合「長靴を履いて地下鉄や通勤電車に乗るのはちょっと」と思う方も多いでしょう。長靴を携行するのも荷物になります。そんな場合は、防水タイプのハイカットシューズ、もしくは登山靴がお勧めです。これらの靴に登山用「スパッツ」を併用するのが効果的です。
次に機材まわり。雪でカメラが濡れるのを防ぐために、少し大きめのタオルを用意しておきましょう。撮影までの間、カメラをタオルにくるんでおけば、濡れずに済みます。また、カメラに雪が付着した際は、すぐに水滴を拭うこともできます。
吹雪の時などは、瞬く間にレンズに雪が吹き込んできます。水滴を拭うレンズクリーニングペーパーやティッシュペーパーなどを、多めに用意しましょう。さらにレンズ保護用のプロテクトフィルターをかけていれば、レンズの傷防止に役立ちます。
降雪時のレンズ交換は、雪や水滴がカメラ内部に入り込む危険性があります。大きめのポリ袋を用意し、袋の中でレンズ交換するのも一つの方法です。
それから、雪は音を吸収し、列車の接近する音が聞こえにくくなります。また、列車先頭の「スノープラウ」と呼ばれる雪掻きで跳ね飛ばされた雪片が、飛んでくることもあります。冬場は特に線路に近づき過ぎないよう、細心の注意を払いましょう。
また、線路や道路と田んぼの間に引かれている用水路や融雪溝が雪で見えない場合もあります。くれぐれも注意しましょう。
「踏切」
徐々に白んできた雪の朝、モノトーンの世界に警報機の赤いランプが点滅する。列車のテールライトの赤も絡めて撮影した一枚。飯山線替佐駅から蓮間駅間で。
キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mmF2.8L IS USM
【コラム】忘れられない一枚
「窓越しの一期一会」
冬のウクライナを走る蒸気機関車撮影ツアーに参加したのは、今からもう10年以上前。その年、ウクライナ南部は大雪に見舞われ、列車ダイヤも大幅に乱れた。
我々の乗車する貸し切りツアー列車も、予定外の駅で長時間待たされることとなった。スケジュール通りに進まなかったが、そのおかげで「人々の生活の様子に触れることができた」と、今になって思う。
そんな朝、列車のデッキから外をのぞくと、隣のホームに一般の列車が停車していた。ふと視線を感じ、客車の窓を見れば、少女がこちらを見つめていた。
©Koji Yoneya

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よねや・こうじ
1968年山形県天童市生まれ。東京工芸大学写真科卒業。
安達洋次郎・真島満秀に師事の後フリーランスとなる。
鉄道と人の結びつきをテーマに日本と世界の鉄道を撮影。
著書に『木造駅舎の旅』(INFASパブリケーションズ)
『ニッポン鉄道遺産』(斉木実氏と共著、交通新聞社)など。
日本写真家協会(JPS)会員。
http://www.geocities.jp/yoneya231/
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