home > 鉄道風景写真講座 > 撮り鉄、今日もどこかで運行中 第6回
撮り鉄、今日もどこかで運行中

写真好きならば、一度は鉄道を撮りたいと想ったことがあるはず。
そんな人たちを、尽きせぬ愉しみへと導く、新たな写真講座です。

第6回 鉄道風景写真に躍動感を加えてみよう

作例A

作例A 雪が積もった朝、通勤電車の表情を捉えてアップ目に流し撮り。止めたい部分をシッカリ見つめることが流し撮り成功のポイント。東北本線蓮田駅から東大宮駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mmF2.8L IS USM


作例B

作例B 風景を入れ込んだ流し撮り。全体のフレーミングを気にしながらも、機関車の先頭部分を凝視しながらカメラを動かしレリーズした。山口線津和野駅から船平山駅間で。 キヤノンEOS-3、EF85mmF1.8、PROVIA 100Fプロ


作例C

作例C 1/8秒で撮影した小湊鉄道の列車。風景に溶け込むようなイメージとなった。レリーズ中もカメラを止めずに一定に動かし続けることが大切。小湊鉄道月崎駅から上総大久保駅間で。 キヤノンEOS-1v、EF300mmF4L USM、PROVIA 100Fプロ


「山中の孤走」

「山中の孤走」
残照が雪面を青く染める頃、引退間近の400系山形新幹線「つばさ」が峠をのぼってきた。ヘッドライトや窓明かりが薄暮の峠路に浮かんだ。シャッタースピードは1/4秒。奥羽本線庭坂駅から赤岩駅間で。 キヤノンEOS-1v、EF70-200mmF2.8L IS USM 、PROVIA 100Fプロ

 鉄道は動きのある被写体ですが、一般的な鉄道風景や鉄道撮影では高速シャッターにより列車を止めて撮影します。
 1枚の写真としては、列車がブレているよりも、写っている方が好まれますが、今回は疾走する列車の躍動感をはっきり表す「流し撮り」という手法にチャレンジします。また、列車をスローシャッターでぶらして撮影する方法もあり、「鉄道風景写真」の表現の幅を広げる手法の一つとして、取り入れてみましょう。

 流し撮りで撮影された写真では、動かないはずの風景が流れ、走っている列車は静止しています。走っている列車を肉眼で追いかけると、列車は止まって見え、逆に背景が流れて見えます。この状態をカメラでつくると思って下さい。


流し撮りにチャレンジ

 では、実際に「流し撮り」にチャレンジしてみましょう。まずは少し車両に寄った写真で練習します。作例Aは東北本線の普通電車を流し撮りで撮影したものです。普段見慣れた通勤電車も、雪のせいでちょっと違った表情をみせていました。
 流し撮りの方法は、平たく言えば「列車の動きに合わせて、カメラを振りながらレリーズする」というものです。列車の場合は、平坦なレールの上を決まった方向に走りますので、他の被写体に比べて動きの変化がつかみやすい方だと思います。覗いたファインダーで列車を追いかけながら、レールと平行にカメラを振ります。フレーム全体のなかの列車の位置を保ったままでレリーズすることが、大事なポイントです。
 作例Aの場合は、雪を抱いた列車の先頭部分を止めて見せたいので、フレームのなかで列車正面の位置がずれないように細心の注意を払いました。
 シャッタースピードは1/60秒を基本にしましょう。遅ければ遅いほど「流れ」の効果が大きくなります。また列車の速度が速いほど、カメラを速く振る必要がある訳ですから、速いシャッタースピードでも効果が得られます。
 例えば、時速30kmで走るローカル線と、時速270kmで走る新幹線の列車に対して同じ1/60秒で流し撮りを行ったとします。レンズの焦点距離や被写体との距離が同じ場合、得られる「流れ」の効果は、新幹線の方が断然に大きくなります。

 流し撮りのコツを掴んだら、風景のなかを走る列車の撮影に応用してみましょう。線路からなるべく離れて「鉄道のある風景写真」が撮れる位置まで引いてみます。そのまま撮影すれば、普段と変わらない鉄道風景写真となりますが、列車の動きに合わせてカメラを振り、風景全体を流して撮影します。
 作例Bは風景全体の流し撮りによって撮影した「SLやまぐち号」です。風景は流れながらも、輪郭や雰囲気を残しつつ、列車だけが静止している写真になりました。さらにシャッタースピードを遅くすれば、作例Cのような写真になります。千葉県の小湊鉄道の列車を1/8秒で撮影したものです。風景がより流れ、輪郭がよりぼやけます。列車は静止していませんが、列車と自然や風景が一体となって溶け込むような、幻想的な作品に仕上がりました。

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「動輪」

「動輪」
ワイドレンズで通り過ぎる蒸気機関車の動輪を1/8秒で流し撮り。躍動感あるイメージ写真となった。山口線船平山駅から徳佐駅間で。 キヤノンEOS-3、EF28mmF1.8 USM、PROVIA 100Fプロ




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