写真好きならば、一度は鉄道を撮りたいと想ったことがあるはず。
そんな人たちを、尽きせぬ愉しみへと導く、新たな写真講座です。
第7回 鉄道春景色の愉しみ
作例A 峠路に春の到来を告げるフキノトウをローアングルで目一杯に近寄って撮影。山形新幹線「つばさ」が駆け抜けて行った。レンズの最短撮影距離を把握しておこう。奥羽本線板谷駅から峠駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF50mmF1.4 USM
作例B 日本三名園に数えられる偕楽園の梅を見ながら、常磐線の「フレッシュひたち」が駆け抜ける。歩道橋上から安全に撮影できるポイントだ。常磐線赤塚駅から偕楽園(臨)駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mmF2.8L IS USM
「春色に染まる」
偕楽園での作品。定番カット(作例B)を撮影したら、自分だけの作品作りも楽しみたい。梅の花を泳ぐように走る、ホワイトボディーの「スーパーひたち」が春色に染まるようなイメージに撮影。常磐線赤塚駅から偕楽園(臨)駅間で。
キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mmF2.8L IS USM
寒い季節も過ぎ、木々の芽吹き、花々の開花、そして萌えるような新緑と、モノトーンの風景が、目にも鮮やかな色彩に覆われてゆきます。
春の鉄道風景写真では、生命力溢れる自然の力強さ、美しさを、鉄道と一緒に撮影したいと思います。
春は地面からやってくる
早春の線路際で足下を見ると、周囲には残雪も見られるなか「フキノトウ」が顔を出していました(作例A)。春の到来を最初に教えてくれたのは、黄緑色の小さな芽でした。春が来るまでジッと耐えていたのでしょう。そう思うと何だか愛くるしく感じます。カメラが地面に触れるぐらい、目線をグッと下げてローアングルで撮影してみました。
春の花で、一番気が早いのは梅でしょうか。まだ寒いうちから花を咲かせます。茨城県水戸市の「偕楽園」は言わずと知れた梅の名所。付近を走る常磐線の線路は、偕楽園の南をかすめるように敷かれ、梅の花と列車を絡めて撮影することが可能です(作例B)。毎年「梅まつり」にあわせて、土休日には臨時駅もオープンし、アクセスも便利になります。
3月になると菜の花が咲き始めます。千葉県のいすみ鉄道や小湊鉄道などでは、沿線の人々が菜の花を植えています。鮮やかな黄色い花々が、旅人の目を楽しませてくれます。菜の花の開花時期は長いので、3月下旬に咲き始める桜と同時に春爛漫の風景を見せてくれます(作例C)。
作例C 4月上旬、千葉県の小湊鉄道沿線では、菜の花に加え桜が満開となった。フレームいっぱいに春の風景が広がるような画面構成を心がけた。小湊鉄道里見駅から上総川間駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF300mmF4L USM
「菜の花の絨毯」
菜の花畑を走り抜ける列車を、「第6回」で解説したスローシャッターを用いて撮影。小湊鉄道の好ましい車体色が画面に彩りを加えてくれた。小湊鉄道上総大久保駅から養老渓谷駅間で。
キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mmF2.8L IS USM
©Koji Yoneya
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