home > 鉄道風景写真講座 > 撮り鉄、今日もどこかで運行中 第8回
撮り鉄、今日もどこかで運行中

写真好きならば、一度は鉄道を撮りたいと想ったことがあるはず。
そんな人たちを、尽きせぬ愉しみへと導く、新たな写真講座です。

【コラム】肥薩線蒸気機関車の旅情

 全国各地で復活を果たしてきた蒸気機関車。各地様々な趣向で訪れる人々を魅了している。JR九州の肥薩線では開業100周年を記念して、2009年春より「SL人吉」の運行を開始した。
 機関車の8620形58654は1998年に一度復活し、豊肥本線で「SLあそBOY」として使用された後、車体の老朽化で台枠に異常が見つかり運行を一旦終了した。しかし、九州の地に再び蒸気機関車を望む声が高まり、台枠を新造、交換するという前代未聞の作業が行われ、加えて各パーツも再整備され、熱い鉄道マン達の思いと技術によって2度目の復活を果たした。
 「SL人吉」の運行に合わせ客車もリニューアル。JR九州のデザイン顧問、水戸岡鋭治氏(ドーンデザイン研究所)の手により木材をふんだんに使用した素晴らしいインテリアに仕上がった。なかでも車両末端の展望ラウンジは、妻面が床までのガラス張りという斬新な設計。流れゆく風景や蒸気機関車の背中を間近に見ることができて好評だ。乗車するアテンダントのサービスも心地よく、「SL人吉」は蒸気機関車の旅を存分に楽しむことができるイチオシの列車である。

肥薩線蒸気機関車の旅情
球磨川沿いの肥薩線をのんびり走る「SL人吉」。汽車独特のリズムを感じながら撮影を楽しんだ。

肥薩線蒸気機関車の旅情
「SL人吉」の客車は斬新なデザインに驚かされる。展望席に設けられた子供専用の小さな腰掛けは“天使のイス”とでも呼びたくなるようだ。

肥薩線蒸気機関車の旅情
列車にはアテンダントさんが乗務。途中駅では機関車運転席に差し入れが行われていた。ほのぼのとした光景に思わずシャッターを押した。
よねや・こうじ

よねや・こうじ

1968年山形県天童市生まれ。東京工芸大学写真科卒業。
安達洋次郎・真島満秀に師事の後フリーランスとなる。
鉄道と人の結びつきをテーマに日本と世界の鉄道を撮影。
著書に『木造駅舎の旅』(INFASパブリケーションズ)
『ニッポン鉄道遺産』(斉木実氏と共著、交通新聞社)など。
日本写真家協会(JPS)会員。
http://www.geocities.jp/yoneya231/
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