home > 鉄道風景写真講座 > 撮り鉄、今日もどこかで運行中 第10回 米屋浩二(よねや・こうじ)
撮り鉄、今日もどこかで運行中

写真好きならば、一度は鉄道を撮りたいと想ったことがあるはず。
そんな人たちを、尽きせぬ愉しみへと導く、新たな写真講座です。

夏の叙情を撮る

 強烈な太陽の光、陽炎、豪雨と激しいだけが夏の風景ではありません。暑さが落ち着いた夕暮れ、山峡を走る只見線の沿線では、ゆったりと流れる只見川に川霧が立ちこめはじめていました(写真15、16)。川霧が立ちこめた日本らしい叙情的な光景として、機会があれば一度は撮影してみたいですね。

15. 川霧漂う只見川の川面を見ながら走り抜ける只見線の列車。川霧の表情を捉えるポイントは、露出がオーバーにならないように気をつけることだ。只見線会津水沼駅から会津中川駅間で。 キャノンEOS-7D、EF70-200mm F2.8L IS USM
 
16. (写真15)からおよそ20分後、光線に青みが増してきた。感度をISO640まで引き上げて、列車が完全に流れない程度のシャッター速度1/6秒で撮影した。只見線会津水沼駅から会津中川駅間で。 キヤノンEOS-5DMarkII、EF70-200mm F2.8L IS USM



 摩天楼が輝く都会のなかの夏景色(写真17)や、昼下がりの気だるいような田舎の風景(写真18)は、スクエアなフォーマットでスナップ撮影してみました。ホームに集うスズメたち(写真19)や、乗客を迎える風鈴の短冊(写真20)も、夏の叙情を感じさせる鉄道風景です。最後は何といっても夏の夜空を彩る花火でしょうか(写真21)。列車と上手く絡められたら素晴らしいですね。



17. 夏の西日に輝く摩天楼と新橋駅前の雑踏を1:1のスクエアなフォーマットでスナップ。東海道本線新橋駅で。 リコーGR DIGITAL III
18. 民家の庭先に咲いた赤い花をフレームに入れこんで、気だるいような田舎の昼下がりを撮影。ファームウエアアップデートで、1:1の画面が選択可能となった。 リコーGR DIGITAL III



19. 真夏の夕方、駅のホームに集ったスズメたちも夕涼み。鶴見線浅野駅で。 キヤノンEOS-1v、EF70-200mm F2.8 IS USM PROVIA100F
 
20. 立ち寄った山形鉄道の駅でのスナップ。風鈴に書かれた「おかえりなさい」の文字は帰省客へのメッセージだろうか。山形鉄道長井駅で。 キヤノンEOS-1v、EF17-35mm F2.8L USM PROVIA100F

21. 花火と列車の組み合わせは撮影したい夏の鉄道風景の一つ。路地で花火見物を楽しむ人々も画面に入れながら、手持ちでスナップした一枚。ISO640、1/10秒でも、レンズの手ぶれ補正(IS)機能によって手ぶれせずに撮影できた。総武線浅草橋駅から両国駅間で。 キヤノンEOS-40D、EF70-200mm F2.8L IS USM

よねや・こうじ

よねや・こうじ

1968年山形県天童市生まれ。東京工芸大学写真科卒業。
安達洋次郎・真島満秀に師事の後フリーランスとなる。
鉄道と人の結びつきをテーマに日本と世界の鉄道を撮影。
著書に『木造駅舎の旅』(INFASパブリケーションズ)
『ニッポン鉄道遺産』(斉木実氏と共著、交通新聞社)など。
日本写真家協会(JPS)会員。
http://www.geocities.jp/yoneya231/
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