“改修される前”の情景を探しに
9月初旬、ポルトガルを旅した。かの地では、都市の道路(特に路地)の多くに石畳が敷かれている。しかし、この石畳、歩きやすいとはいえない。ゴツゴツしているうえに、雨に濡れるとすべるのだ。坂の多いリスボンなどでは、雨上がりに転倒しそうになった。ところが石畳を踏んだ時の感触が、日本に戻ってからも強くポルトガルを思い出させる。ポルトガルの町々を最もリアルに記憶したのは、視覚や味覚ではなく、意外にも僕の足の裏だった。
デコボコしていたり、ゴツゴツしていたり......写真を撮る時、そんな風景に目が反応してしまう。アジアの片隅で出会った人々、日本の木造駅舎......それらは存在そのものがデコボコ、ゴツゴツと、ひと癖ある独特な個性を発していた。ところが、今の日本では地方に至るまで、町並みは妙に直線的で、のっぺりとした風景に改修されていることが多い。それを否定するつもりはないが、思わずカメラを向けたくなる風景にもっと出会いたいものだ。「鉄道小風景をめぐる旅」は、僕にとってそんな味わい深い風景を探す旅かも知れない。鳥取県の若桜鉄道へ行こうと思ったのは、この鉄道がそんな味わい深く、“改修される前”の情景を残そうと努めていると聞いたからだ。
若桜鉄道は、因美線の郡家駅を起点に、若桜駅までの19.2kmを結ぶ第三セクターのローカル線である。清らかな八東川の流れに沿って、山あいへ分け入る鄙びた里山の風景が広がっている。分岐駅の郡家駅を除いた駅数は8駅で、うち6駅には旧国鉄若桜線時代の木造駅舎が残されている。若桜線は1930年の開業だから、駅舎巡りをするだけでも、訪ねる価値は十分にありそうだ。
出雲での仕事を終えた後、予定を1日延長し、鳥取で1泊。翌日、因美線の列車で起点駅の郡家駅へ向かった。
まずは郡家駅から2駅の因幡船岡駅で途中下車。この駅は窓枠や待合室のベンチまで木造で、温もりある木の質感を十分に楽しめた。ただ、木造駅舎なのは良いが、無人の駅舎には何処か寂しさが漂う。一人旅は時に寂しい。不意に誰かと話がしたくなった。僕は再び列車に乗り込み、終点の若桜駅へ向かうことにした。
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5.
若桜駅に到着した列車から幼稚園児が降りてきて、静かな駅が賑やかになった。若桜鉄道若桜駅で。
キヤノンEOS7D、タムロン18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD、1/200秒、F6.3、ISO400、WB:くもり
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18-270mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD (Model B008)は、一眼レフカメラ用交換レンズのAF機構に、超音波モーターの一種である定在波型超音波モーター「PZD(Piezo Drive)」を搭載している。素早いピント合わせが可能になっている。部品点数の少ないシンプルな構造で、レンズ全体の大幅な小型・軽量化にも貢献。DCモーターに比べ静音性に優れている点も見逃せない。 |
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