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撮影テクニック
逆光がパンのフォルムを引き立たせる
色よりも形を伝えたい被写体、たとえば「パン」などは、
そのフォルムを効果的に際だたせる逆光のみで撮ってみよう。
硬い質感の被写体には硬いライティングを選ぶ
逆光+レフ板で撮影 逆光のみで撮影
逆光+レフ板で撮影
陰となる部分にも光を回そうと思い、レフ板を使用した。暗部を含め、全体的なディテール描写には優れるが、パンのフォルムや堅さは伝わってきにくい。
逆光のみで撮影
パンのフォルムや堅さを表現するために、逆光のみで撮影した。被写体の形や堅さを表現するためには、レフやディフューズで光を回さないほうがむしろ適した場合もある。
 世に流通している料理写真はほとんどがカラーで撮影されている。料理が美味しく見えるのは色情報に依存しているので、モノクロ表現には適さないことが多い。そのため、こちらで解説したように、ケーキを撮る場合は、逆光で立体感を表現するとともに、レフ板で順光を作り正確な色を表現することが不可欠になる。
 ではパンを写真で上手に表現するにはどうすればよいか。パンとケーキの違いは、「色味が重要」なのか、「フォルム(形)が重要なのか」だ。上のようなバゲットを撮る場合はどうだろうか。逆光で撮影して立体感を表現するという基本的な撮影法はケーキと一緒だが、その次のステップ、つまりレフ板を使って陰となる部分を起こしたほうがいいのかどうかが問題だ。上の2つの写真の左と右の違いはレフ板を使っているかいないか。レフ板がない右の方が、バゲットの堅く焼き上がった質感が伝わってくる。左はレフ板で陰を起こしているので、光が全体にまわり柔らかな印象を受ける。
 このようなパンはケーキに比べると、色情報よりも表面の凹凸感の表現が重要だ。そのため、必ずしも正確な色再現が必要というわけではない。極端に言えばケーキとは違いモノクロ表現も可能ということになる。ゆえに作例のような影の強いライティングでも成立する。
写真上左、逆光+レフ板での撮影状況。
写真上左、逆光+レフ板での撮影状況。
写真上右の、逆光のみでの撮影状況。
写真上右の、逆光のみでの撮影状況。

柔らかな質感をもつ被写体は柔らかなライティングが適している
左からのサイド光+レフ板 パンの四方をスチレンペーパーで囲む
左からのサイド光+レフ板
レフ板を使ってはいるが、明暗差により立体感が強調されすぎるきらいがある。ただ、用途や好みによってはこれでもOKだろう。
パンの四方をスチレンペーパーで囲む
光源の向きがわからないくらいに、光がやわらかく回り込んでいる。そのためパンも柔らかく表現される。
 同じパンでも、このように表面が柔らかな質感をもつ素材では表現方法が異なってくる。柔らかな質感を持つパンなので、強い直射光よりも、やはり柔らかな光の方が適した表現になる。2つの作例は、どちらも光を柔らげる工夫をしてはいるが、上左は左からのサイド光に対して右側からレフ板で光を補ったもの。上右はパンの四方をスチレンペーパー(今回使用したのは厚さ3mmのもの)で囲んで撮ったものだ。スチレンペーパーで囲って撮った作例の方がより柔らかな表現となっている。
 食材や料理を撮影する場合、このように質感や色で大きくライティングが異なる。撮影前によく観察して、どこがポイントなのか、どこを強調したら美味しそうに見えるのかなどを理解するのが重要だ。
写真上右、パンの四方をスチレンペーパーで覆っての撮影状況。
写真上右、パンの四方をスチレンペーパーで覆っての撮影状況。

写真・文:関川真佐夫

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