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撮影テクニック
前ぼけを添えて華やかさを加える
<風景写真>
構図に物足りなさを感じたときには、風景写真でも前ぼけを使うことによって画面に華やかさを演出することができる。
ぼけをコントロールして主題を主張させる
前ぼけを入れない構図
前ぼけを入れない構図
菜の花、桜、背景の山という組み合わせ。これはこれでキレイなのだが、画面に変化や勢いは感じられない。
菜の花を前ぼけに使う
菜の花を前ぼけに使う
一方、菜の花を前ぼけにあしらったもの。画面に変化が生まれ華やかさが感じられる。何気なく背景の町並みも隠して目立たなくしている。
 前ぼけをうまく利用して撮影する、ということは花のマクロ撮影などでは良く使われる手法だが、これを風景撮影に応用しない手はない。では実際に前ぼけを利用するとどのような効果が得られるのだろうか。菜の花畑で撮影した作例を見てみよう。
 作例は長野県飯山市の菜の花公園で撮影したもの。千曲川沿いにある広大な菜の花畑で知られる公園で、GW前後をピークに黄色い絨毯が出現する。当初、千曲川を背景に撮影していたのだが、広大な菜の花畑の先に桜が咲いているのを見つけた。そこで、背景に山を配置して撮影したものが上の写真だ。これはこれで単純にキレイではあるのだが、何か物足りない。そこで思いついたのが菜の花を前ぼけに配置することだ。そこでほどよく菜の花を前ぼけとして配置できる場所を探しだしてフレーミングしたものが下の写真。上と比べると、単純に前ぼけとして菜の花をあしらっただけなのだが、格段に華やかさが増していることがお分かりいただけるのではないだろうか。このとき、絞り値はF4を選択している。これは黄色いぼけが菜の花とある程度認識できるような見え方を考慮してのことだ。
むろん撮影意図によって絞り値を変化させ、ぼけ量をコントロールすることは考えられる。また前ぼけとなる被写体とカメラの距離感によっても選択する絞り値は異なるだろう。
 前ぼけを入れるときの注意点は、配分や量を考慮してうるさくしすぎないこと。シーンにもよるが、あまりにも前ぼけの量が多すぎれば主題がぼやけてしまう。また、前ぼけの重なりが多くなりすぎると、主題のシャープ感が失われ気味となることもある。ファインダーやモニターで確認しながら、しっかりと主題が主張できる効果を見極めたい。
 いずれにせよ、選択できる絞り値が多くなる、という点においては開放F値の明るい大口径レンズを使うほうが、ぼけのテイストをコントロールしやすいことは間違いない。もしF値が暗いレンズを使う場合は前ぼけの位置をできるだけ手前に配置できる撮影ポジションをさがすことで大きなぼけ味が得られるようなる。
 風景写真は、つい背景ばかり意識してしまいがちだが、前ぼけに注目してみることでそれまで気がつかなかった風景を見出すことができるかもしれない。

前ぼけの配置や配分を考え、背景の林の幹と枝垂桜の枝張りを活かせるような前ぼけの位置を探って配分したもの。
暗い背景を覆い隠すように菜の花を配分したもの。桜と前ぼけを対角において色合いを対比させている。
写真・文:萩原俊哉

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