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撮影テクニック
縦位置、横位置で変わる風景の広がり
<風景写真>
風景の広がりを写真に表現する際、構図による違いによって、その見せ方が大きく異なってくる。縦位置と横位置を意識的に使い分けよう。
ワイド感と奥行きの違いを表現する
広がりを感じる横位置
広がりを感じる横位置
ハマヒルガオが咲く浜辺の広がりを表現するため横位置で撮影したもの。左右方向に対する浜辺の広がりが感じられるだろう。ハマヒルガオの存在感を強めるために花に近寄って撮影している。
奥行きを感じさせる縦位置
奥行きを感じさせる縦位置
一方こちらは縦位置で撮影したもの。手前の浜辺から奥に見える岬までの奥行きが感じられることと思う。また、浜辺の面積を出したいこととパンフォーカス気味にするため、横位置の写真より目線を上げて撮影している。
 スケールの大きな風景と対峙したとき、その広がりを写真として表現したいと考える。そのとき、左右の広がりを表現したいのか、あるいは前後方向に対する奥行きを表現したいのかを明確に意識して、縦位置、横位置にするかを選択するといい。
 カメラの構造上、普通に構えると横位置で画面が見える。デジタルカメラの場合は3:2または4:3の縦横比など、カメラによって違いがあるものの、横方向に長辺となるフォーマットが一般的だ。また人間の目も左右に並んでいるので、横位置で見るのがもっとも自然な印象となる。
 横位置になるようにカメラを構えた場合、長辺が横方向になるため、左右に対するワイド感を表現しやすく、また人間の視覚に近いため、画面から安定感が得られやすい。このため堂々とした風景として表現することができる。
 一方、縦位置では前後方向に対する奥行きや、上下方向に対する高さを表現することができる。このため、風景の奥行きを表現したいと考えた場合、縦位置のほうが鑑賞者に撮影者の作画意図を伝えやすい。
また肉眼で見慣れている横長の風景と異なるため、緊張感が感じられる写真となることも多い。
 作例は青森県深浦町行合崎の海岸線だ。初夏の浜辺でハマヒルガオを見つけて撮影したもの。横位置で撮影した写真は、浜辺の横方向に対するワイド感が得られ、また安定感が伝わってくる。一方、縦位置の写真では手前の浜辺から奥に見える岬までの奥行きが感じられることと思うが、縦横の違いでこれだけ鑑賞する側の印象が変わってくるのだ。
 また、写真を鑑賞する際、横位置の写真だけがズラリと並んでいるよりも、縦位置写真が組み合わされているほうが変化に富んで見えてくる。映像と異なり縦位置による構成は写真や絵画でなければできない表現方法だ。つい横位置ばかりで撮影しがちになるが、写真展やブログなどで写真を公開することも考慮して縦位置と横位置を撮り分けておくといい。


写真・文:萩原俊哉

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