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試用レポート
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SIGMA DP2s クリアでシャープ、そして芳醇な色味が写真ファンを魅了する 写真・文:吉田浩章
同社一眼レフと同じ個性派センサーを搭載
 シグマのFoveon X3センサー(以下X3センサー)を搭載したカメラには、一眼レフタイプのSDシリーズ、そしてコンパクトタイプのDPシリーズがある。現行ラインナップは、つい最近発売された一眼レフカメラのSD15と、そしてコンパクトカメラは画角が28mm相当のDP1s(後継となるDP1Xのリリースもアナウンスされている。ちなみにDP1Xでは露出の「オートモード」が省略される)と、画角が41mm相当のDP2sがある。
 コンパクトサイズのDPシリーズに驚かされるのは、撮像センサーに一眼レフのSD15と同等のものが採用されていることだ。X3センサーのサイズは20.7×13.8mmで、これがSDシリーズとDPシリーズに共通で採用されている。20.7×13.8mmというと一眼レフカメラに採用されるAPS-Cサイズのセンサーよりやや小さく、17.3×13mmのフォーサーズセンサーよりも大きい。DPシリーズは小さなボディにデジタル一眼レフに匹敵するようなセンサーを搭載しているのだ。
 X3センサーの特徴をひとことで説明すると、他のデジタルカメラの画素より鮮鋭感のある画像を得られることだと言える。他のデジタルカメラでは、「ベイヤー配列」という水平に配列されたR/G/Bフィルターを通し、隣接する画素情報から画素補間を行って実際の画像を生成している。対して、X3センサーでは、垂直に配されたB/G/Rの3層で光を捉え画像を生成する。水平に隣接する画素情報を必要とせず、画素補間をしないため、輪郭はシャープで自然なものとなる。また、多くのベイヤー配列のセンサーでは、その構造上、偽色やモアレが出やすく、そのために解像感を下げる「ローパスフィルター」が装着されているが、X3センサーにはローパスフィルターが不要だ。画素補間をしないこととローパスフィルターがないこと、これがX3センサーが生み出す画像がリアルでシャープであることの主な理由だ。
 ところで、DP2sのカタログなどを見ると有効画素は約1400万画素となっているが、これは約469万画素×3層(B/G/R)という計算に基づくもの。実用上は469万画素と考えよう。ただし、A4サイズにプリント(約240dpi)しても解像感の低さは感じられない。A3サイズにプリント(約180dpi)すると、さすがに細かな部分の描写は難しいが絵柄によっては十分といったところ。
 さて、DP2sの姉妹機であるDP1sは28mm相当の、いわば広角レンズを搭載したものだが、DP2sは41mm相当で肉眼で見た印象に近いかたちで被写体を切り取ることができる。後述するように、他社のデジタル一眼レフカメラやコンパクトカメラと比べると、手ブレ補正機能がなく、また高感度に弱いなどのデメリットもあるが、DP2s(というか、X3センサーと画像処理エンジンのTRUE II)が描く画質は、想像以上のクオリティーであることに驚く。カメラと、写真と、正面から向き合う楽しさを思い出させてくれる、DP2sはそんな質実剛健な印象を受けるカメラだ。
 なお、DP2sはじめX3センサー搭載のカメラは、JPEGで撮影するのではなく、RAWで撮影し、専用ソフトのSIGMA Photo Pro(SPP)で現像したほうが圧倒的に高画質で、現像調整の幅も広くなる。もっと言えば、X3センサーの画像は、RAWで撮影しRAW現像をすることで本領を発揮する。実際に撮り比べてみると、JPEGで撮影したものより、RAWで撮影し現像したもののほうが、精細感、階調性、発色性、ノイズ感などでJPEG画像よりも上回る(ちなみに、JPEGで撮影した画像はコントラストは高め、彩度は抑えめという印象の画になることが多いようだ)。DP2sだけでなくX3センサーを搭載したカメラを手にしたならば、ぜひとも積極的にRAW撮影、RAW現像にチャレンジしてほしい。それを踏まえ、ここで掲載しているDP2sの作例写真は、すべてRAW撮影しSPPで現像したものだ。

余分な装飾をせず、スッキリとしたデザインに仕上げられたDP2s。

電源を入れると、レンズが繰り出す。この繰り出し量はやや多め。

モードダイヤルの「SETUP」を選ぶと、この「カメラ設定」画面が現れる。初期設定やフォーマットなどはここで行う。

撮影時に、背面の「MENU」ボタンを押すと「撮影設定」のメニューが現れる。詳細な設定を行うことができる。

背面の「QS(クイックセット)」ボタンを押すと、ISO感度、ホワイトバランス、フラッシュモード、測光モードを素早く切り替えることができる。

「QS」ボタンを2度押すか、左に掲載の画面で十字コントローラーの右ボタンを押すとこの画面になる。画像サイズ、色モード、画質、ドライブモードの設定の切り替えができる。

専用現像ソフトのSIGMA Photo Pro(SPP)。これはサムネイルを表示したり回転させたりする「メインウィンドウ」。

SPPの「レビューウィンドウ」では、画像の拡大表示や、ハイライト・シャドウの警告表示、そして現像調整が行える。
SIGMA DP2sの主な仕様
撮像素子 Foveon X3ダイレクトイメージセンサー(CMOS)、有効画素数1406万画素(モニタ表示やプリント時の実質画素は約469万画素)
焦点距離
(35mm判換算)
41mm相当
開放F値 F2.8
レンズ構成 6群7枚
測距点 9点
オートフォーカス コントラスト検出方式
シャッタースピード 1/2000〜15秒
測光方式 TTL開放測光、評価測光、中央部重点測光、スポット測光
露出制御方式 プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル
露出補正 ±3EV(1/3ステップ)
ISO感度 50~3200(ISO1600、3200はRAW撮影時のみ)
ホワイトバランス オート、晴れ、日影、曇り、白熱電球、蛍光灯、フラッシュ、カスタム
記録形式 JPEG、RAW、AVI
最大記録画素数 2652×1768×3層
動画撮影 QVGA(320×240、30コマ/秒)
記録メディア SD/SDHCメモリーカード、マルチメディアカード
液晶モニター 2.5型TFT、約23万ドット
内蔵フラッシュ あり。ガイドナンバー6(ISO100/m)
手ぶれ防止機能 なし
大きさ 約113.3mm×59.5mm×56.1mm
重さ 約260g(本体のみ)

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